蛇にはその草の下で
待たせておけばいいさ
そして文のほうは
単語で作ってゆこう、ゆるやかに、すばやく
いきなり噛みつき、無言で待ち
眠らないやつを。
ーー比喩によって
人々と石を和解させること。
構成せよ(物そのもの以外の
観念などいらない)発明せよ!
ユキノシタこそわが花
そいつは岩を砕く。
(William Carlos Williams, A Sort of A Song)
Friday, 4 January 2008
歌(ウィリアム・カルロス・ウィリアムズ)
美とは貝殻
海に住み
高らかにそこを統治する
愛に手なずけられるまで
帆立貝や
ライオンの掌
あとずさりする波の音
がかたちを仕上げてゆく
絶えることのない音調が
ずっとくりかえされる
耳と目が一緒になって
おなじベッドで眠るまで
(William Carlos Williams, Song)
海に住み
高らかにそこを統治する
愛に手なずけられるまで
帆立貝や
ライオンの掌
あとずさりする波の音
がかたちを仕上げてゆく
絶えることのない音調が
ずっとくりかえされる
耳と目が一緒になって
おなじベッドで眠るまで
(William Carlos Williams, Song)
Thursday, 3 January 2008
唄(レオポルド・ルゴーネス)
とってもかわいい三姉妹
恋人探しに出かけました。
長女はいった。私は欲しい、
王さまが欲しい、この世を統べるために。
彼女はお気に入りになりました、
スルタンの寵姫。
次女はいった。私はね、
本物の学者が欲しい、
若くて美しいこの姿のまま
私を不滅にしてくれるような。
彼女が結婚したのは魔術師、
ガラスの島に住む先生でした。
末の娘は何もいわず、
ため息ばかりついている。
三姉妹のうちこの子だけが
愛することを知っている。
愛以外なんにも欲しがらないのに、
そんなものどこにも見つからない。
(Leopoldo Lugones, Tonada)
恋人探しに出かけました。
長女はいった。私は欲しい、
王さまが欲しい、この世を統べるために。
彼女はお気に入りになりました、
スルタンの寵姫。
次女はいった。私はね、
本物の学者が欲しい、
若くて美しいこの姿のまま
私を不滅にしてくれるような。
彼女が結婚したのは魔術師、
ガラスの島に住む先生でした。
末の娘は何もいわず、
ため息ばかりついている。
三姉妹のうちこの子だけが
愛することを知っている。
愛以外なんにも欲しがらないのに、
そんなものどこにも見つからない。
(Leopoldo Lugones, Tonada)
フィリップ・ラーキンを2つ
お正月の余興に、Philip Larkinのごく短い詩を二つ、親子で「競訳」してみました。KSがぼくのもの、ASが息子のものです。いうまでもなく、どちらも「正解」からは、ほど遠いに違いありません。訳詩は訳者の数だけあり、しかも時とともに変わってゆくものでしょう。<年ごとの新しい目>によって!
"New eyes each year"
年ごとに新しい目だ
ここで古い本を見つけ、
新しい本も見つけて、
古い目が新しくなる。
そして若さと年齢は
インクとページのように
この家でひとつになって、
新しい硬貨を作る。(KS)
毎年新たな目が
ここで古い本や
新しい本を見つけ
古い目を新しく塗り替える
だから老いも若さも
この家では
インクと紙のように結びつき
新たな金貨を鋳る (AS)
"The daily things we do"
私たちが日々おこなうことは
お金のためでも楽しみのためでも
朝露のように消えることもあれば
硬くなって生き延びることもある。
奇妙な相互依存。
私たちが起こした出来事が
こんどは私たちを生み、
私たちの記憶となるのだ。(KS)
金や娯楽のための
我々の日々の営みは
露となって消え
あるいは強固に永らえるかもしれない
奇妙な相互関係
我々が引き起こす状況が
時と共に我々を興し
我々の記憶となる (AS)
"New eyes each year"
年ごとに新しい目だ
ここで古い本を見つけ、
新しい本も見つけて、
古い目が新しくなる。
そして若さと年齢は
インクとページのように
この家でひとつになって、
新しい硬貨を作る。(KS)
毎年新たな目が
ここで古い本や
新しい本を見つけ
古い目を新しく塗り替える
だから老いも若さも
この家では
インクと紙のように結びつき
新たな金貨を鋳る (AS)
"The daily things we do"
私たちが日々おこなうことは
お金のためでも楽しみのためでも
朝露のように消えることもあれば
硬くなって生き延びることもある。
奇妙な相互依存。
私たちが起こした出来事が
こんどは私たちを生み、
私たちの記憶となるのだ。(KS)
金や娯楽のための
我々の日々の営みは
露となって消え
あるいは強固に永らえるかもしれない
奇妙な相互関係
我々が引き起こす状況が
時と共に我々を興し
我々の記憶となる (AS)
ニュースと天気(ウォレス・スティーヴンズ)
I
青い太陽が赤いコケードをかぶり
本日、合衆国を歩いていました。
どんな目にも見届けられないほど背が高く、
どんな人間がそうありうるよりも年老いて。
彼は旗や自動車工場周辺で
人々が作るピケラインを捉えた。
彼の物腰が人々をなだめた。彼が鉄板を切ると
乱暴なぐにゃぐにゃの線になった。ドリルした。
彼の赤いコケードがパレードをしめくくった。
彼のその物腰はあらゆるものに及んでいた、
彼が投げ捨てていった緑がかった植物にも
彼の心の中のピアノの音にも。
II
ソランジュ、私が話しかけたマグノリア、
ニガーの名前をもつニガーの樹木、
それにむかって私は話しかけた、そのそばに立って話した、
わたしはソランジュ、美しく響く悲嘆、と彼女はいった。
わたしは冬の終わりの毒、
しおれた天気、しわくちゃの雲とともに服用すれば、
しかめつらの精神の惨めさを隠します。
紫の芳香を吸いこみなさい。それは
ほとんどニガーの断片、秘訣(ミスティック)となるのよ、
知性により行き場をなくしている精神には。
一年にはそんな一瞬があるね、ソランジュ、
深く吸いこんだ空気が生命をまた一年分もたらしてくれることが。
(Wallace Stevens, The News and the Weather)
青い太陽が赤いコケードをかぶり
本日、合衆国を歩いていました。
どんな目にも見届けられないほど背が高く、
どんな人間がそうありうるよりも年老いて。
彼は旗や自動車工場周辺で
人々が作るピケラインを捉えた。
彼の物腰が人々をなだめた。彼が鉄板を切ると
乱暴なぐにゃぐにゃの線になった。ドリルした。
彼の赤いコケードがパレードをしめくくった。
彼のその物腰はあらゆるものに及んでいた、
彼が投げ捨てていった緑がかった植物にも
彼の心の中のピアノの音にも。
II
ソランジュ、私が話しかけたマグノリア、
ニガーの名前をもつニガーの樹木、
それにむかって私は話しかけた、そのそばに立って話した、
わたしはソランジュ、美しく響く悲嘆、と彼女はいった。
わたしは冬の終わりの毒、
しおれた天気、しわくちゃの雲とともに服用すれば、
しかめつらの精神の惨めさを隠します。
紫の芳香を吸いこみなさい。それは
ほとんどニガーの断片、秘訣(ミスティック)となるのよ、
知性により行き場をなくしている精神には。
一年にはそんな一瞬があるね、ソランジュ、
深く吸いこんだ空気が生命をまた一年分もたらしてくれることが。
(Wallace Stevens, The News and the Weather)
Wednesday, 2 January 2008
小さな無限詩(フェデリコ・ガルシア・ロルカ)
道をまちがえるとは
雪にたどりつくということ
雪にたどりつくとは
二十の世紀の間ずっと墓地の草を食み続けるということだ。
道をまちがえるとは
女にたどりつくということ、
光を恐れない女だ、
二羽の雄鶏を一秒で殺せる女だ、
雄鶏を恐れない光と
雪の上では歌えない雄鶏。
けれども、もし雪が思い違いをしたなら
南風がやってくることもある
そして空気はうめき声など気にしないので
われわれはまたもや墓地の草を食まなくてはならない。
私は二つの悲嘆する蝋製の穂を見た
それは火山の風景を埋葬していた
そして二人の狂った男の子が泣きながら
暗殺者の瞳を押しているのを見た。
けれども二とは数字であったためしはない
それは苦悩でありその影なのだから
それは愛が絶望するギターなのだから、
それはそれ自身のものではない別の無限の証明なのだから
それは死者の城壁だ
そして終わりなき新たな復活という罰だ
死者たちは二という数字を嫌う
だが二は女たちを眠らせる
そして女は光を恐れるので
光は雄鶏たちを前にするとふるえ
雄鶏たちはただ雪の上でのみ飛ぶことができ
われわれは休むことなく墓地の草を食まなくてはならないのだ。
(Federico García Lorca, Pequño poema infinito)
雪にたどりつくということ
雪にたどりつくとは
二十の世紀の間ずっと墓地の草を食み続けるということだ。
道をまちがえるとは
女にたどりつくということ、
光を恐れない女だ、
二羽の雄鶏を一秒で殺せる女だ、
雄鶏を恐れない光と
雪の上では歌えない雄鶏。
けれども、もし雪が思い違いをしたなら
南風がやってくることもある
そして空気はうめき声など気にしないので
われわれはまたもや墓地の草を食まなくてはならない。
私は二つの悲嘆する蝋製の穂を見た
それは火山の風景を埋葬していた
そして二人の狂った男の子が泣きながら
暗殺者の瞳を押しているのを見た。
けれども二とは数字であったためしはない
それは苦悩でありその影なのだから
それは愛が絶望するギターなのだから、
それはそれ自身のものではない別の無限の証明なのだから
それは死者の城壁だ
そして終わりなき新たな復活という罰だ
死者たちは二という数字を嫌う
だが二は女たちを眠らせる
そして女は光を恐れるので
光は雄鶏たちを前にするとふるえ
雄鶏たちはただ雪の上でのみ飛ぶことができ
われわれは休むことなく墓地の草を食まなくてはならないのだ。
(Federico García Lorca, Pequño poema infinito)
Tuesday, 1 January 2008
墓として考えられた天国について(ウォレス・スティーヴンズ)
どんなことがいえるのか、解釈者たちよ、空の
墓を夜歩く人々、われらが喜劇の
暗い幽霊たちについて?
かれらは道を照らすべくランタンをかかげ、
冷たい風が吹きすさぶ中を歩いているつもりなのか、
死の自由人たちが、あちらこちらといまもなお
なんであれかれらが探す物を求めて? あるいは
あの埋葬、無への扉にして激烈な移行として
毎日いとなまれる埋葬が、
夜毎にあの唯一の底知れぬ夜を予告するのか、
主人がもはやさまよい歩くのをやめ、忠実な
ランタンの明かりが暗闇をじわじわと進むこともなくなる夜を?
暗い喜劇役者たちのあいだで叫びをあげなさい、
はるか遠くからかれらに声をかけたまえ、
かれらの氷のエリゼ(極楽)からの答えのために。
(Wallace Stevens, Of Heaven Considered as a Tomb)
墓を夜歩く人々、われらが喜劇の
暗い幽霊たちについて?
かれらは道を照らすべくランタンをかかげ、
冷たい風が吹きすさぶ中を歩いているつもりなのか、
死の自由人たちが、あちらこちらといまもなお
なんであれかれらが探す物を求めて? あるいは
あの埋葬、無への扉にして激烈な移行として
毎日いとなまれる埋葬が、
夜毎にあの唯一の底知れぬ夜を予告するのか、
主人がもはやさまよい歩くのをやめ、忠実な
ランタンの明かりが暗闇をじわじわと進むこともなくなる夜を?
暗い喜劇役者たちのあいだで叫びをあげなさい、
はるか遠くからかれらに声をかけたまえ、
かれらの氷のエリゼ(極楽)からの答えのために。
(Wallace Stevens, Of Heaven Considered as a Tomb)
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