Wednesday 10 September 2008

あった(エウジェニオ・デ・アンドラーデ)

あった
ひとつの単語が
暗がりに。
小さく。目立たず。

暗がりで槌音を立てていた。
槌打っていた
水でできた床を。

時の奥底から
槌打っていた。
壁を打っていた。

ひとつの単語。
暗がりで。
私を呼んでいた。

(Eugénio de Andrade, Havia)